夜の行末を照らして


世界中の路地の
奥まった暗がりで
夜の行末に向かって
光を照らそうとするものがあり
行き止まりのようなその場所で
僅かながらの光を
探そうとするものがあり
そのなかでうごめくもの
息を潜めながらも
ついうごめいてしまうもの
罪のように身を隠して
存在してしまっていることの申し訳なさのために
赦されるなど考えもせずに
それでも見つけようと思えば
見つかってしまうものがあり
そんな隠れたものに
呼びかける
出ておいでよ
やがて世界は
君を知ってしまうから
その認識に向かって
光をたどって
歩き出してみるんだ
世界中の路地の
奥まった暗がりの
夜の行末を照らせば
それらの光が集まって
街の灯りとなる
そして半分だけ回れば
陽に照らされて
もう朝だ
君や私の
淋しさという秘密が
暴かれる
無限の光の下で
慈しみ
歌われるために


(二〇一六年七月執筆)


戻る   表紙