点在


ばら
    ばら  に
           生きている

    そのために

私たちは離れていて
それぞれの思いも わからなくて

時にひどく傷つけ合って
なんどでも 痛くなってしまう

私たちはばらまかれていて
それぞれが 勝手に落ちては 舞い上がって

自分の居場所さえも わからなくなって
そうして見上げるんだ

いっせいに星が瞬いて
いっせいに星が隠れて

いくつもの運命が 暗い空に
流れては消えるのを

私たちはばらまかれてあり
そのことに 何の疑問も抱かず

それぞれの記憶に 触れることもできずに
それらを簡単に忘れてしまって

手探りで たがいの体温を感じては
巡りのように また離れては 冷たくなって

いっせいに花が咲いて
いっせいに花が散って

いくつもの種が 荒野に
破裂しては落ちてゆく

私たちは 一人ではただの
読点や句点でしかなく

そのことに 一人では
抗うことも出来ず

ぽろぽろと崩れて
枯れては 落ちて

ばら
    ばら  に
           生きてしまう

    そのために

私たちは離れていて
それぞれの生も わからなくて

それでも私たちは叫んでいた
それぞれに見つけたものの

飽きるほど振り返ってきた記憶や
まだ見たことのない 未来のようなものを

またしても感じる 痛みのような
胸のなかのせつなさとともに


(二〇一六年五月執筆)


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